研究熱心さは愛(ラグビーで語る世界)

f:id:sailch-blog:20200503185820j:image一週間前に、家族で植えた百日草が芽を出しました。まだしばらくこの時間を楽しめそうですね。

皆さん、こんにちは。愛で世界を語るブログ、第10回です。

昨年は空前絶後ラグビーブームでした。競技歴10年、観戦歴30年の私としては、本当に嬉しい限りです。コロナの影響が少し残念ですが、今も毎日、どこかでラグビーの記事を見かけます。

このラグビーブームの源流は、やはり2015年ワールドカップでの南アフリカ戦の勝利です。

まだ世界の強豪から真剣勝負で勝ったことのない日本を、世界一、二を争う強豪の南アフリカからの勝利に導いたエディ・ジョーンズ監督の手腕は、見事という他ないものでした。

ラグビー界では、南アフリカは世界一大きくてパワーのあるチームといわれています。あの有名なオールブラックスも、大きさやパワーではかないません。そんなチームに、ワールドカップでは毎回最小、最軽量の日本が勝つとは!この試合は、今でもラグビー史上最大の番狂わせといわれています。

エディ・ジョーンズ監督はとても研究熱心な方で、勝利のためにできることはあらゆる努力を惜しまず、妥協を許さない厳しい姿勢で知られていました。

そのエディ・ジョーンズ監督が、南アフリカに勝つためにインスピレーションを得たのが、マルコム・グラッドウェル著の「逆転」であり、その中の少年ダビデゴリアテのストーリーです。

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ゴリアテは、ペリシテの軍隊の将軍であり、身の丈2メートルを超える大男で、全身を甲冑で武装し、剣と槍を武器に、軍隊を代表して一対一で戦え、と、イスラエルの軍隊を挑発します。

軍人たちが恐れおののくなか、この巨人に敢然と立ち向かったのは羊飼いの少年ダビデでした。ダビデは、鎧も甲冑もつけず、普段着のまま戦いに挑み、石でゴリアテの眉間を撃ち抜いて気絶させ、その首をはねて勝利したのでした。

これだけを聞くと、聖書で神様が起こした奇跡のように思えますが、それだけではありません。よく読んでみると、ダビデは、羊飼いとして、ライオンや熊を追い払っていた、と聖書に書いてあります。

少年が、腹が減って獰猛なライオンや熊を簡単に追い払えるでしょうか。それでも、ダビデは羊飼いでしたから、羊を守るために熱心に研究したのでしょう。投石器でライオンや熊を追い返すようになります。

「逆転」によれば、この投石器は、熟練者が使えば、35メートルほど離れたところで、時速120キロメートルも出るともいわれ、プロ野球のピッチャーがバッターの顔をめがけてボールを投げるようなものなのだそうです。

ダビデは、羊思いの本物の羊飼いでした。それは彼がたくさんの歌を綴った中からもうかがえます。

ダビデは、ライオンや熊という人間よりも恐ろしい敵から、愛する羊たちを守るために研究し、立ち向かい、熟練した投石者になっていました。

その投石は、ライフル銃のような威力がありました。

一方のゴリアテは、相手に接近して戦うことしか考えておらず、巨人症の影響で目も悪かった、と「逆転」では述べられています。

いくら、剣や槍が強力でも、接近できなければ、ライフル銃の前ではひとまりもありません。いわば、一人長篠の戦いとでもいうべきでしょうか。織田信長武田勝頼に勝利したように圧勝でした。

少年ダビデは、羊飼いとして、羊を守るために熱心に研究し、努力し、当時としては最先端の武器を身に付けていたから、神様が共にしているという自信も持って、ゴリアテに打ち勝つことができたのでした。

 

ダビデの研究熱心さは、エディ・ジョーンズ監督の研究熱心さにとてもよく通じます。結局、体の小さな日本代表を率いて、南アフリカに勝ったのは、彼の研究熱心さの賜物でした。

練習にはドローンなどの最新機器を導入し、あらゆる選手の動きの数値化に努力し、試合で起用されるレフリーの癖まで研究し尽くし、選手の誰よりも早く来て、遅くまで働かれたそうです。

その情熱は、世界の強豪に勝ちたいと願っていた、日本ラグビー界の願いを叶えるためでした。もちろん、プロフェッショナルの仕事としては当然ではありますが、ラグビー好きの私からは、やはり、

 

研究熱心さは、愛。

 

とお伝えしたいです。世界を愛で語るブログでした。最後まで読んで下さって、ありがとうございました。