知恵を求む!

AIと同じ最善手(しかも結構アグレッシブな攻め手)を20分ほどで弾き出した藤井二冠の頭の中もこんな感じなのか。

皆様、こんにちは。世界を愛で語るブログ、第73回です。

二冠になった藤井棋士が、またもやAI並みの指し手を見せたのを見て、人間の可能性って凄いな、と素直に感動しています。

今回は、法律愛編。テーマは著作権です。マニアックになるかもなので、ご了承ください、、、それでは始めます。

YouTuberがYouTuberを訴えた、初めての事件が8月19日、報道されました。

裁判に至る流れはこんな感じです。

あるYouTuberが、別のYouTuberが投稿した編み物を編む動画を見て、「これは、私の動画のパクリだ!」と考え、弁護士にも相談し、YouTubeに著作権侵害で削除の申し立てをしました。

これが認められ、運営会社は、動画を削除しました。

動画を削除されたYouTuberは、怒りました。

もちろん、「たまたま似ていただけで、独自の動画だ!」ということなのかもしれませんが、それ以外にも、次のような理由がありました。

(1) YouTubeで動画が削除されることが3回続くと、アカウントを消されてしまい、過去の動画も消えてしまう。

(2) これにより、YouTuberの稼ぎもなくなってしまう(この方の場合は月額12,000円)。

(3) アカウントが使えなくなるのを恐れて、新規動画を投稿しづらくなる。

それで、動画を削除されたYouTuberは、著作権侵害で削除を申し立てたYouTuberに対して、慰謝料など110万円の損害賠償を求めて裁判を起こしました。

訴えた側は、「すぐに削除したYouTubeにも問題がある。」と話しています。

さてさて、弁護士からみますと、まず、編み物動画の著作権が本当に侵害されていたかなんですが、、、よく分からないです、、、すみません。映像がみられないので(^o^;)

また、映像が見られたとしても、創作物として独自性が認められるか、という極めて曖昧な基準で判断されるため、ある程度の線をこえると、裁判してみないと分からない世界になります。

その一方で、もし、著作権侵害ではない、と最終的に判断されたら、、、誰の責任なんですかね?

申し立てた人でしょうか。しかし、そうすると、著作権侵害の申立てにみんなが及び腰になってしまう、、、。

実際に削除したYouTubeでしょうか。しかし、裁判するまで分からないような判断なら、だいたいは機械的に判断してるYouTubeとしては、膨大な映像があるのに個別判断までやってたらきりがなくなる、と言いたいでしょうし、、、。

裁判官もとても悩ましいと思います。しかし、これからこういう話はとても多くなりそうですね。

つまるところ、私たち法曹は、いつもソロモンのような知恵が欲しい!

知恵は、これを捕える者には命の木である、これをしっかり捕える人はさいわいである。(旧約聖書 箴言 3:18)

知恵、愛してます!求む、知恵!

世界を愛で語るブログでした。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。