それはあかんやつやわ

娘と一緒に、頑張って作ったクッキー。妻氏へのお疲れさまのプレゼントです(月1回)。

皆様、こんにちは。世界を愛で語るブログ、第89回です。

今日は、「あかん」の話をします。「あかん」は、主に関西弁で「だめだ。」の意味です。「あかんわ。」というのは、「だめだこりゃ。」とほぼ同義と考えてよいと思います(関東人の見解)。

聖書で、あかんことをした代表的な人物にアカンさんがいます(旧約聖書 ヨシュア記7章参照)。そらあかん。

アカンさんは、旧約聖書で、モーセの後を継いだヨシュアの軍隊にいました。

ヨシュアの軍隊は、エリコというとてつもなく堅牢な城を、およそ人間では絶対思い付かない方法で、さくっと攻略したことでとても有名です。

簡単に言うと、7日間お城の回りを1回ずつひたすら回り、最終日には7回回って鬨の声を上げるというものでした。これは、神様がヨシュアに教えた方法であると聖書には書いてあります。

実はそのとき、神様は、他にも色々指示しており、エリコの城では、勝っても戦利品には手をつけるな、とも厳命していました。

しかし、ヨシュアの軍隊にいたアカンさんは、エリコで、綺麗なコートや2キロほどの銀、500グラムほどの金の延べ棒などに出会ってしまい、眩しさに目がくらんで、掟を破って戦利品を持ち帰り、住んでいたテントの下に隠していたのでした。

※戦争中という特殊な状況ですが、強盗、窃盗、占有離脱物横領のいずれかが成立しますので、読者の皆様は、絶対に真似しないでください。するわけないか。

それで、アカンさんは、当時の法により処分されてしまうのですが、、、

アカンさん、そらあかんやろ!と思ってしまいそうです。。。しかし、私は弁護士ですから、アカンさんの立場を弁明すべく、検討してみます。

コンプライアンスの実務では、ルール違反をするケースの背景には、自己合理化の心理が働くと言われています。

代表的な自己合理化は、以下の3つです。

1 これくらいはいいだろう。

2 他の人もやってるだろう。

3 上司の指示だから仕方ない。

3が近年話題になった「忖度」なのですが、あくまで聖書に基づく事実関係からは、アカンさんの場合、3はありません。1も、隠した品物を今のお金に換算すると300万円以上になりますから、「これくらい」という金額ではなさそうです。

そうすると、アカンさんは、「他の人もやってるだろう。」くらいに思っていたのかもしれません(あくまで推測)。

戦争が続くし、戦利品を目の前にして持ち帰りたい誘惑にかられたとき、「きっと他の人も同じ誘惑を受けて持ち帰ってるだろう。バカ正直にコンプライアンス守って、俺だけ損するのは、、、。」と思ってしまったのかもしれません。

(私はコンプライアンス担当者なので言いにくいですが、) アカンさん、その気持ちは、分からなくもないです

※繰り返しになりますが、犯罪ですので絶対に真似しないでください。しないか。

ここでむしろすごいのは、ヨシュアの軍隊のコンプライアンス意識の高さです。聖書の記述に従えば、ルール違反をしてたのは、なんとアカンさん一人です。ほとんどめったに、誰もルール違反しません。これはなかなかすごいことです。

アカンさんの他には、誰も「みんなやってるだろう。」とは考えていなかったようです。本当に素晴らしい組織ですね。

アカンさんの残念なところは、神様のことはもちろん、仲間のことも信じ切れなかったことかもしれません。

現代でも、コンプライアンス意識の高さは、仲間や組織を信じられるか、大切にできるか、にかかる部分が間違いなくあります。

どんな組織でも、信頼と愛こそが、コンプライアンス意識の高い組織を生むともいえるのです。つまり、

愛さなあかん

世界を愛で語るブログでした。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。