愛してこそ、新しい文化も創造される
近所の公園に咲いていたバラです。花言葉は「愛情」と「美貌」。さすが、女王の貫禄。
皆様、こんにちは。世界を愛で語るブログ、第19回です。
前回に引き続いて、異文化コミュニケーションについて、エリン・メイヤーさんの本を題材に私が業務を通じて経験したことをお伝えしたいと思います(前回→ グローバルは愛の総和 https://sailch-blog.hatenablog.com/entry/2020/05/12/232722 )。
アメリカ、韓国、日本でも企業文化は全く異なるとお伝えしましたが、分かりやすい2点で説明したいと思います。
それは、
1 意思決定プロセス
2 組織構造
の2点です。
まず、1 意思決定プロセス、ですが、これは、
A トップダウン
B ボトムアップ
簡単に言えばこの2つに分かれます。
さて、韓国、日本、アメリカはそれぞれどちらでしょうか?
答えは
B ボトムアップ 日本
です。
トップダウンの特徴は、メリットとして決断が早くなる。デメリットとして、あとあと変更や修正が多くなる。
ボトムアップの特徴は、メリットとして知見を結集するため安定的な決断がしやすい、デメリットとして、決断が遅くなる、変更や修正が難しい、という点が挙げられます。
次です。2 組織構造、こちらは
A ヒエラルキー構造
B フラットな構造
さて、日本、アメリカ、韓国はそれぞれどちらでしょうか?
答えは
A ヒエラルキー構造 日本、韓国
B フラットな構造 アメリカ
です。
ヒエラルキーは、トップのコミュニケーションの負担を分散させやすくなる代わりに、どうしても下層にいけばいくほどその声が届きにくくなります。
逆に、フラットな構造では、どんなメンバーでも気軽にトップとコミュニケーションできる反面、トップの負担や責任が大きくなります。
ここまででお分かりいただけたとおり、この2つの要素だけでも、
と、完全に三者三様です。
こういう文化的な背景をしらないと、アメリカ系の企業からやってきたマーケティング担当者が、日本企業で施策を任され、ばっちり準備して完璧に役員の前でプレゼンしたのに、全然採用されないで、他の人の案が採用される、といったことが起こる、というわけです。これはエリン・メイヤーさんの著書でも取り上げられています。他の人は当然のようにプレゼンの前の根回しで勝負は決まることを知っていた訳です。
逆に、韓国の企業で同じアジアの企業だからとせっせと根回しをしても、会議の場でトップダウンで次々に異なる指示を出されて、スピード感のある対応ができなくて失望される、といった事例も見かけます。これも、韓国は日本よりもスピード重視で、トップダウンなのを知らないから起こることです。
また、日本や韓国の企業では、いわゆる「レイヤー飛ばし」はものすごく嫌がられるのですが、アメリカ企業で育った方にはそれが理解できなかったりします。
このようなプチ・文化的衝突を避けるには、それぞれの組織の文化的な背景を知っていることが何より大きいです。その上で、相手の文化を受け入れて適応できるかになります。
ここでは、こっちが優れているか、とか、私はこうやってきた、前の企業はこうだった、はたまたこれがグローバル・スタンダードだ、といった考え自体、私が見てきた限り何の役にも立ちません。こういう考えから離れられない方は、一定の文化圏の企業にしか定着できません。
前回にお伝えしましたように、グローバルは、ローカルの総和ですから、ローカル同士がお互いを受け入れてこそ生まれるものであり、どちらかの押し付けであれば、ただのローカルの拡張にしかならないです。
しかし、ローカルとローカルが真の意味で融合すれば、たとえば先ほどのそれぞれのAとBの長所を掛け合わせたような企業文化が生まれます。それは、一人一人の受容と適応、根本的には愛から始まるものです。
愛してこそ、新しい文化も創造される
世界を愛で語るブログでした。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。